【はじめに】ごあいさつ

2021/05/13

すべての方にこのことばをおくります。
コロナで仕事を失った人、店を閉めた人、就職ができないでいる君たちへ、勉強と部活で忙しい中高生へ、外出できないで家に閉じこもっている人へ、おうちで育児をしている主婦たちへ。

私たちには「時間」という資源があるではないですか。
コロナのこの危機にあるときこそ、時間を味方につけましょう。

22歳の君たちへ、これから社会に出ようとしたときにコロナの出現。ふたつの時代をまたぐことになりました。ゆとり世代(1987~2004年生まれ)ですね。その前は、団塊ジュニア(氷河期世代)(1970~84年生まれ)、バブル世代(1965~69年生まれ)。

同じ一日は24時間なのに、その時代、時代で社会の時間の流れが変わります。コロナ前のバブル時代は人々は時間の奴隷だったことをお話ししましょう。私たちは忘れてはいけないことだから。


みんな時間の行方不明者になった 

私はこれまでのどんな災害よりもコロナに脅威を抱くのは、コロナは差別することなく、地上のすべての人間や物から時間を奪い去っていくということを・・・、巨大な時間管理法が崩れたのですよ。世界中を支配していた絶対王者の時計は、空気を抜かれた風船のように、氷山が溶けるように崩れていったのです。

見方を変えると、世の中から時間の標識がなくなったのです。たとえば、大きな災害で街が被害にあうと道路が崩れて道路標識もなくなりますね。

今回のコロナもそんなようなもので、世界は時間の被害にあい、みんな時間の行方不明者になってしまった・・・そのように私には見えます。


コロナの前まで、わたしたちは時間の奴隷になりすぎていましたね。

時間がない、時間がない、世のなかのスピードについていけないと悲鳴をあげながら、時間に従って乗り物も仕事も学校も動いていましたね。

身体につける物も増えました。
首に扇風機をつけ、足にローラ、耳にイヤフォン、手にスマホ・・目にコンタクト、マスクで口をふさぎ・・・。バス乗り場で高校生たちに聞きましたら、重いカバンと部活道具を背負って、長い時間通学するので腰を痛めて悲鳴を上げているのです。

ATMもエスカーターもなにもかも早くなりました。
老若男女もすべての人間を同じ時計の速度で動かします。まるで機械で動いているように、信号を渡ろうとして走り、電車の発車のベルにせかされ、人ごみをかき分け電車に飛び乗り・・・・。

ギューギュー詰めの電車のなか

家の中では、家電はお知らせタイマー付が、お風呂が沸いたよ~、ごはんが炊けたよ~、メールがきたよ~、と音がピーピーと知らせます。身体がついていけません。コンセントにつまずいて転びそうになることもあります。

仕事のスピードも上がりました。
職場ではまわりについていけません。

そして、私たちはぶつぶつ文句を言っています。

メガネはどこどこ、マスク、息苦しい、ああ電池が切れた、白髪が目立って染めをしなくちゃ、マニュキアがはげてきた、ああ、目がかすむ、目薬だ、今年の花粉はひどいな のど飴、パソコンの調子が悪い、クツが痛い。

時間がない、ああ、忙しい、時間がない・・・

時計の針が早く進んでいるわけではないのです。
外部のモノ・情報の移動速度が速く変化していることに注目をしてください。
周りのスピードは人間の限界を超えていたのです。


時計がなかったころをふり返ってみましょう。

時計のなかった頃

むかしの人たちは太陽の動きを見ながら生活をしていました。

これはだれでも知っていますね。
物々交換をしたりするのに約束の時刻が必要になりました。そして荷物が増えると乗り物が必要になり、馬車やトロッコが登場します。やがて鉄道が敷かれるとあちこちに都市がつくられます。人々は地方からやってきて共同社会ができます。

時計は集団をまとめるための便利な道具だった
共同社会では幼稚園、学校、会社、施設、乗り物、お店・・・が、「はじまり―!」と「 終わり―!」で時間管理されます。

でもね、みなさんも考えてみてください。

時間を共同でつかっている・・・。どういうことかというと、一か所に人が集まって同時に時間をつかうと効率的ですよね。ということは一日24時間を、まるまる自分がひとりで使っているわけではないのです。時計のなかった頃は、一日をぜんぶ自分が使えたのでしょう。

「5時間を10人で時間を使うとどういうことになると思いますか?」
「時間を畳の部屋に例えると、学校や職場で50人で一時間を過ごすのよ。酸欠、時間欠になるのは当たり前じゃない?」

高層ビルで時間を共有して働くビジネスマンたちは、強制収容所で時間という鎖で縛られた状態?そんなかんじですよね。

時計は人々の時間と空間を圧縮したの。
電車のラッシュはギューギュー詰めだものね。
定員オーバーだと、飛行機だって落っこちるし、船だって沈むね。



時間の共有を発見した時間簿

わたしは育児をしているとき、自分の時間がないのは時間の使い方が下手だから? なぜ、時間がたりないのか不思議でした。そして、発見したのが、誰かと時間を共有しているから、1日24時間は自分がぜんぶ使っていないとわかったのです。それを目で見えるようにしたのが時間簿です。

時間を共有すると何が起こるか?
ここからが問題です。

「他者」との比較と競争が起ります。

集団だと価値ある存在と認められたい、誰かに受け入れられたいと欲求が働くようになります。いい大学にいけばいい会社に就職できる、それを目標に子どもは一生けん命勉強して、親は一生懸命に働いて・・・。

何かあったときのために、これがあれば便利です、これは安心です、これがあれば幸せになれます、とうたって、秋になると春の花が売りに出され、夏のくだものは冬に、新年の手帳は9月ごろに店頭に並びました。時計は人々を死の恐怖から遠ざけていきました。

時間は物質文明を発展させて、世の中のスピードをどんどん加速させていきました。みんなで速いモノ勝ちの社会をつくってしまったのね。

点数や成績で優劣を決める集団では、自分は社会に必要とされていない、あいつが悪い、自分はダメな人間だとひとを責め、自分を責め、苦しみ悩むわね。ほんとうの自分では生きられなかったのね。

あれから60年、70年・・・。
 高度経済成長期に郊外にニュータウンが誕生し、理想の住みか、ユートピアとよばれ人々は憧れました。今では廃墟化して空き室が目立ち、ひとり取り残された高齢者難民と孤独死する方も。ごみ置き場は粗大ゴミであふれています。 

 だいぶ前にテレビで、ニュータウンの高齢の女性がインタビューにこのように答えていました。
「だれも年を取るなんて思ってもみなかった」

 ストレス社会の三大疾患(がん・心疾患・脳卒中)に侵され、病院通い、寝たきり・・・ 平成20年には医療費が34兆円に達したとされています。
 

時間の共有は人間に残酷でした。

残酷なまでに人間を無視した時間の共有をコロナが戒めしめました。

人間たちよ離れなさい、距離をおきなさい。

三密ですね。

 これまで、密集しすぎた時間を、コロナによって解除されたのです。 さんざん集団の社会をつくっておいて、こんどは集団は感染するから人の集まるところへ行ってはいけないとね。コロナが出現したころ、さわがしかった世の中が嵐の過ぎ去ったあとのようにしずかでした。 時間が止まったように。



コロナで時間の流れが変わりました。

では、私たちはどうしたらいいのでしようか。 先ほどのインタビューのように「だれも年を取るなんて思ってもみなかった」では、自分の時間に無知すぎました。今回のコロナで、私たちの時間は一変しました。コロナでいつ感染するか不安に怯え死と向き合わざるをえなくなりました。

あなたには時間という資源がありますよ 

・コロナであってもコロナでなくても、私たちの一日は24時間と決まっています。
・生きていくために社会や誰かと時間の共有をしなければなりません。

時間の共有は「家族の時間」と「社会集団の時間」があります。

家族の時間の共有は、おなじ家で家族がご飯を食べて共に生活をします。

社会集団の時間の共有は、幼稚園や学校、会社・・・などで、他の人たちと一緒に勉強をしたり仕事をします。

時間の共有はただ同じ場所にいることではありません。

私たちは誰かと時間を共有することによって、一緒に笑ったり、楽しんだり、励まし合ったり「感情を共有」しています。しかし、コロナでそれも自由にできなくなりました。

コロナの時間は、時間の共有=「だれ」とどのような方法で「何」をするか?
1日24時間をどのように使うか? 

  • 時間を持て余す人
  • 時間を大切に使う人
  • 時間の使い方わからない人

あなたはどちらのタイプですか?

☆まとめ
あなたには時間という資源があります。古い時間の思い込みを卒業してまず、自分のやりたことに時間をつかうことを考えてください。ひとり暮らしでも、結婚して子どもがいても、自分が時間の主になってください。大切な自分の時間を人生の目的のためにつかってください。ほんとうの自分で生きてください。時間簿はあなたをサポートします。



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プロフィール

あらかわ菜美

生活時間研究家&時間デザイナー。99年に考案した「時間簿®」が各種メディアで取り上げられ、全国的に話題になりました。元クラシックギター講師。

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